ディスタント スキンシップ

Distant Skinship

1995.5
撮影:西村燎子《ディスタントスキンシップ》国立にて
Photo by Nishimura Ryoko / "Distant  Skinship"  in Kunitachi 1995. 5. 12

思っ立ったが吉日、ウィメンズアートネットワークWomen’s Art Net Work(WAN)とまずは命名し、さっそく企画を立てたのだった。4組の女性によるパフォーマンスのイベント「ディスタントスキンシップ」だ。当時女性でパフォーマンスをやっている人はほとんど居なかった中、小林テレサさんに出会い、カナダ・ウニペッグのショウナ・デンプシーとローリー・ミランから「日本に行きたい」という葉書が舞い込み、演劇だけどはっきりと女性の視点で作品をつくっていた「リリスの足」が参加すると言ってくれて、「女性によるアート」と銘打つプロジェクトが始まった。afaはなくなっていたけれど、そこで知り合った山上千恵子さん、安藤能子さんが手伝ってくれた。パフォーマンスではたくさんのリカちゃん人形をゴムのタンクトップのなかに詰め込み、「ジャンプ」をすることによってバラバラと振り落とすアクションが続いた。ステレオタイプな女を表象する物を取り入れたパフォーマンス、わたしにとってかなりのジャンプに違いなかった。

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FACE

1992.9
撮影:イトー・ターリ 《FACE》1400デュポン ストリート 2点
Photos by Ito Tari / “FACE” 1400 Dupont  street (event), 1993

どこでやろうかと聞かれて、即座に1400 Dupont streetが良いと答えた。アーティストのアイコスズキのアトリエがあって訪ねたことがあり、パフォーマンスにうってつけのスペースと思っていたからだ。工場だった古い木造の建物には真ん中に広い空間があり、その回りにアトリエが並んでいた。

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表皮の記憶

The Memory of the Epidermis

1989.5
《表皮の記憶》 in カナダ 2点
”The Memory of the Epidermis” in Canada (photos: unknown), 1990

会場は高田馬場のプロトシアターProto Theater。床に敷かれたシートをはがすとコンクリートの床が現れて、かなりの事が出来る。つまり水を使おうが、大きな音をだそうが文句が出ない場所だった。わたしは48平方メートルの床全面にゴムを塗り、皮膜を作った。さらにゴムスーツを着、黒い覆面のようなゴム切れはしで顔を隠し、すっかりゴムフェチと化していた。時代はバブルが弾けたといってもまだまだ、金余りの風潮が世間を支配していた時代で、だからこそ、パフォーマンスアートというダイレクトな表現に身を寄せ合った者たちが存在していたのだった。パフォーマンスアートは身体が媒体であるため、大した作品でもないのに買い手が付いた美術世界とは一線を画していた。

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表皮の宇宙

The Cosmos of the Epiderimis

1989.5
撮影:会田健一郎 《表皮の宇宙》2点
Photos by Aita Kenichiro / "The Cosmos of the Epidermis", 1989

グリーンピースのパフォーマンスは、観客によっては人前で口にしたものを人前で吐き出すとは何事ぞと、お叱りを受けたりした。表皮は壊れ、今の形を失ない、しかし新たな表皮が現れる。それを端的に表せる素材と行為だと、わたしは思ったのだったが。石膏の粉に水を与えるとかたまりとなり、表皮は形を変える。そしてそれを叩き割る。アスファルトの破片を道路から会場に運び入れる。「物」との対話は「実物」との直接的な対話にすっかりシフトした。「表皮」「皮膚」を連想する素材はなんだろうか?

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